手芸の楽しさはどこにある?

なんかつくる歴だけは異常にながく、それだけ余計なことも色々考える。

 

例えば手芸の楽しさってどこにあるのか?とか。

ハンドメイド品の自己満足感と商品としてのバランスとか。

……余計なこと!!!!

 

なにかつくる楽しさってのは、それはもうなにかつくっていること、手を動かしていること、いいアイディアを思いついて悩みながらそれを形にしていく過程そのものが楽しい。

本来は人にどう見られるかなんて関係なくて、やっていること自体に意義がある。どうやって作ろうか悩む過程が楽しい。そして没頭していたことが形となって出来上がっていくことの達成感。それだけで満足なのであります。

 

そしてもう一つ。ちょっと前に手芸付きママ友に言われたこと。

「自分で作ると安いし好みの布で好みの形に仕上げられるからいいよね!」。

これはある意味コスパの問題かもと思った。

……そしてモヤモヤも増えたことに気づく。

 

私が好む「つくる」系のあれこれは手芸とも工作ともつかないものが多くて、こういうの作りたい!と思ったら、手芸店だけじゃなくてホームセンターをウロウロしたりとにかく材料を集めるのに苦労した(これはまだ子どもの頃の話)。

 

まだまだワイヤークラフトなんてそんなになかったから、程よいペンチはホームセンターの工具コーナーで探した。レジンなんて言葉もまだメジャーじゃなかったから、日曜大工コーナーでエポキシ系のボンドを買ってみて、自然光で硬化させてみたり。シリコンシーラントを絞り出して、ホイップクリームに見立ててみたり。

 

ビーズで初めて立体作品を作れたときは(ただのビーズボールだけど)えらい感動したし、スワロフスキービーズに出会った時は、1粒ずつが貴重でどのパーツに使うかものすごく悩んだ。

オーブン粘土で1色ずつカラフルなチョコスプレーを作ったこともあった…。

 

振り返ってみると、そういう経験が何よりも楽しかったわけで、その頃は「お得に手軽に作りたい(まぁ予算は限られてるけど)」なんてことは1ミリも思っていなかった。悩んだことが形になれば、多少いびつでも大々大満足だったわけだ。

 

……それが今は大抵のものが100均で買える。これがちょっとだけ切ない。ああ時代の流れだ、便利になったのう、私も歳をとったのぅう(涙)という話。

なんだけどね、でも切なさにかわりはないのです。100均の手芸コーナーはついつい見ちゃうし時々買っちゃうし、ワクワクもするのだけど、首をかしげたりもしている。

 

そもそも、手芸自体コスパがいいかというと、材料費とかかる時間労力を考えると既製品を買うのとトントンくらいになると思う。家に眠っている材料を使うとなると話は別で、それは主婦的な節約目線で考えると◎なのかもしれない。おそらく旧来の手芸とはそもそもそんな感じなんだろう。既製品になかなか手が届かないから、あり合わせと労力でなんとかまかなった。でも今はそうじゃない。

 

素敵!と思うものを選べるセンスさえあれば手軽に買って組み合わせるだけで何か作れる。既製品と同程度の価格で自分の思い通りのものがつくれる。そしてそれは下手に素材から作ったものよりも出来がいい。

 

なんか楽しくないな。別になにかつくることで「得したい」わけじゃないし。

とりあえず、その「楽しくないな」という思いは今の自分が思ってしまったこととして大切にしようと思ってます。おそらく超絶センスがいい人は、そのあたりを凌駕してハンドメイド作品をつくっている(そして販売している)のだけど、私はそうじゃない。

 

かれこれ20年ほど「なにかつくる」生活をしているので、手芸用品はそりゃあもう溜まっています。でも、そろそろ買い続けることも見直しながら、ありあわせのもので何か作れないかな?便利パーツを導入することじゃなくてできるだけミニマルなものづくりができないかな……そんなことを今考えてます。

 

そして今手にしているのが、紙と絵の具。ビーズ少々。

これでアクセサリーをつくっています。なんだか「手芸」をやっている以前の子どもの頃に戻ったみたい。

で、ハンドメイド作品を販売することに懐疑的なのにそこに参入しようとしている私…。

いろいろ矛盾だらけだけでボヤかずにはいられないけれど、まぁやってみます。